• TOP > 合格者の声
    最高峰、1級1位突破を果たした大橋鋼二(72歳)さんは、なんと昨年の2級満点合格者。
    受検者でなくても知りたいトップ合格の秘訣(ひけつ)とは?

    —2級100点合格もスゴイですが、今回は最難関の1級を1位合格。是非、必勝法を教えてください。
    「好きこそ物の上手なれ」ですよ。実は1級も満点合格を狙っていたのですが、さすがに1級は数問間違えてしまい2級のように満点とはいきませんでしたが。
    ガイドブック魚の便利帳では基礎知識を、副読本ではさらに幅広い情報を拾いました。
    2級受検のときより念入りに産地・地方名、名産、多い成分、コラムに至るまで2回は読破し暗記しました。特に副読本は1級受検では役立ちましたね。
    ととけんホームページや、ネット検索した珍味、県魚、漁法、調理、食べ頃など興味の対象は愉しみながら調べテキストにメモ記入しました。

    −今回の1級受検で印象に残った問題は?
    Q20.愛媛県愛南町の “びやびやかつお”。ブランド鰹に地元言葉の“びやびや(新鮮)”の名がついたストーリー性の面白さ。Q67.鱸(すずき)の名前の由来が、雪のような純白の身を表した“筋雪”が転じたとの一説。
    それからQ32.鰻街道には大変惹かれました。安来が出てくるので一瞬、鰌(どじょう)とも思いますし。食べ歩きが趣味なので魚の街道を訪ねるのはワクワクしますね。

    −食べ歩きがご趣味とのこと、今年はどんな魚との出会いがありましたか?
    自分にとって魚は即ち肴です。各地の魚介や珍味を見る・食べる・買って作ってみるのが好きなだけ。
    今年は鰈(カレイ)と細長い魚に縁がありましたね。

    −平べったい魚と細長い魚ですね!イメージを膨らめつつ、まずはカレイのお話から。
    天の橋立から小浜にかけ、食べて買っての旅をしました。
    若狭ブランドの笹鰈(ヤナギムシガレイ)、松葉鰈(メイタガレイ)、エテガレイ(ソウハチガレイ)。特に身の厚いエテガレイの一夜干しは安くて旨かった!
    それから、カレイではありませんが若狭グジも手に入れました。また旅先だけでなく、季節によっても出会いが。
    「夏座敷と鰈(マコ)は縁側がいい」のことわざどおりに夏はマコガレイの刺身と昆布〆、そのほか松皮鰈、
    子持ちのナメタ鰈にもありつけました。

    −なるほどカレイは地元の呼び名も多彩ですね、細長い魚についてもお聞かせください。
    まずはウツボ、五島列島で食べたウツボの天ぷらは本当に旨かったですね。
    それから山形の酒田では、由良アナゴ(クロヌタウナギ)に再度お目にかかりました。これがクセになる歯ごたえでしてね。
    アカヤガラの大物と中物も堪能しました。大物は鍋で、アラから旨い出汁がでて格別。
    中物は刺身と昆布〆が美味でした。そうそう刺身を塩でいただくのも、なかなかいけますよ。

    −刺身を塩で?醤油とはまた違った味わいかと。
    魚と塩との相性もそれぞれです。輪島の結晶塩、会津の山塩、塩釜の藻塩、五島列島の深海塩・溶岩塩、 京都では岩塩などを買い集めて愉しんでいます。
    細長い魚の続きになってしまいますが夏に、なじみの魚店でハモを調理してもらい、その骨も余さず焼いて出汁をとり、舳倉島(へぐらじま・能登半島の北に浮かぶ島)の天然結晶塩で味を調え、ハモのお吸い物を作ってみました。
    透き通った出汁との塩梅が実に良かった。

    −まさに和食の醍醐味ですね。世界遺産にも登録された和食と魚食文化についても ひとこと。
    ととけんを受けるきっかけは趣味の江戸文化から。
    前回のインタビューでもお話した江戸時代の名産品図鑑、日本山海名産図絵(にほんさんかいめいさんずえ)に一例として、土佐のカツオ一本釣りの様子などが描かれています。


    −江戸検定一級もお持ちとか。江戸と魚にまつわる面白い話などあれば是非。
    江戸に興味をもったのは落語からなんです。中学のときに落語に熱中しました。
    落語にもうなぎ、ふぐなどよくでてきますが、川柳やことわざともなれば魚の宝庫。趣味の江戸文化と魚を結びつけるのは「魚の江戸川柳とことわざ」だと気づき、昨年以来収集中です。

    −魚と江戸川柳やことわざ、なんともととけんネタになりそうな。
    今のところ魚のことわざは750句、魚の江戸川柳は800句集まりました。
    ここから江戸時代の風俗、魚の調理法や食べ方、商売、保存方法、それから戒めなどもわかって面白い。即ち温故知新です。


    −結びに1級合格者として、ととけんへの要望を。
    ととけんには魚のプロの方も多く受検されていると思いますが、むしろ魚に興味のない人にも振り向いてもらえるような仕掛けづくりをしてほしいですね。
    私のような一般消費者が食べてみたくなるような情報、テキストをどしどし提供して受検者の関心を高めれば、魚にもっと目がいくのでは?
    魚離れと言われる一方で、乱獲が問題になっている。この矛盾は人気の一魚種だけに偏っているからなのではと…。
    消費者が広く魚を知り、選択肢が増えれば結果、魚売り場にもっと多種の安い魚介が並ぶ日がくるのではと願うところです。