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    最難関の1級に史上最年少―10歳・小学5年生(2019年開催第10回日本さかな検定当時)―で見事、合格を果たした伊藤柚貴(ゆずき)くん!
    小学1年生(6歳)で当時の3級合格最年少記録を樹立。翌年2級に挑戦。惜しくも2年生では逃しましたが3年生で2級合格。これは今でも最年少記録です。その後4年生で1級に挑戦し、今回2度目にして、全国24位(受検者388人中)で1級合格を果たしました。 初めてのととけん受検時に、福岡・長浜市場会館でお会いして以後、柚貴くんが聞かせてくれる話にはいつも驚かされてきましたが、今回の合格には心底、びっくりしました。まずは、率直に今回の偉業(いぎょう)達成のご感想からお聞かせください。

    ―まずは、おめでとうございます。柚貴くんにとって長きにわたる5回のととけん挑戦はどんなものだったのでしょうか。
    ぼくにとってととけんは、魚にどっぷり浸れる果てしない遊びです! 遊びなんて言ったら怒られちゃうかな…でもこんなにも魚のことだけを考えていていいなんて本当に最高に楽しいことなのです。ソファで副読本をのんびり見ているだけで全国のお魚が頭に浮かんできてうっとりしちゃいます(笑) だいたい、お正月頃に次の開催日程が発表されるので『やったー!今年もある!』と嬉しさがきた後、一瞬だけ気が引きしまります。なのでそれまで半年くらいはうっとり、そこからは半年はしっかりと!という感じでしょうか。伝わりますか…これ… あと、魚食推進の検定ならではと思いますが、試験が全国いろいろな場所で行われるので、旅行も兼ねて連れて行ってもらえるので、ふだん行ったことのない所の魚料理を食べられたり水族館や釣りなどを楽しむことができて、すっごく嬉しいしありがたいなぁと思っています。今年も高得点をめざしてまた1級を受けたいので、家族に交渉中です!

    ―小学生で1級合格、もしそのコツなどがあれば、対策もお聞かせください。

    2級とは比べものにならないくらい知識の深さが必要だと思いました。
    副読本を中心にいろいろな魚に関する本をたくさん読みました。とにかく読む!とにかく書き出す!(笑) この繰り返しを時間を見つけてやりました。2級で理解していた問題も、1級ではもう少し深くふみこんでマニアックな問題として出たりするので油断できません。
    あと本当に試験直前の魚の話題なども問題に出たりするので、ギリギリまで情報収集したりして、結構スリル満点ですね(笑)

    ―2度目の挑戦の1級、今回とくに力をいれたことは?

    ととけんの試験勉強を本格的に始めるのは、正直にいうと1カ月ほど前からですが、それまでも魚関係の新聞記事を自分なりに調べなおしてまとめたり、水産系のHPなどをいろいろ見て新しい情報を入手したりして知識が薄まらないようには気を付けていました。
    この魚の話題面白いな~ととけんに出るかな~。出るとしたらどんな問題として出るだろう?とか4択の候補を想像したりとか、、気になった情報は掘り下げて調べたりしています。

    直前には副読本の時事魚っちんぐ、プライドフィッシュ、ブランド魚、郷土料理を中心にノートにまとめて、重要なところはオレンジのペンで書いて赤い下敷きで隠しながら自分なりのクイズにして覚えました。
    それでもやっぱり抜けている分野も多いですし、年々変化する水産制度の問題などもなかなか難しい言葉も多くて覚えきれないので、どうしたらすんなり頭にしみ込むのか…。ちゃんと意味も理解したいし、説明できるようにもなりたいし…課題はまだまだ山盛りなんです(苦笑)

    ―今回の1級でとくに印象に残った出題がありました?

    (Q.34)京都のおでん屋さんの問題です。見た瞬間面白そう!!と思ったと同時に???となり、たくさん時間を使って考えました。『飛龍頭』ががんもどきだと後で知ったときはビックリしました。

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    Q34 明治15年(1882年)の創業という、京都の老舗(しにせ)おでん店の品書きです。季節によって中の具材が変わる「宝袋」(巾着(きんちゃく))を除き、水産物が用いられているおでんダネの数を選びなさい。

    ①3品目 ②4品目 ③5品目 ④6品目
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    解答:④6品目

    Q20 皇帝カエサル(シーザー)が凱旋(がいせん)祝宴(しゅくえん)で6千匹を振る舞い、ローマ貴族の間で養殖池を持つことがステータスだったという細長で獰猛(どうもう)な魚、わが国では南紀で揚煮、土佐でたたきなど、ご当地料理に登場します。この魚介を選びなさい。
    ①イラブー ②靭 ③太刀魚 ④鱧
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    解答:②靭(うつぼ)

    ―福岡や下関、そして今回の鹿児島大学と、毎年お会いするたびに「受検中、ととけん出題を楽しむ余裕がある」と感じ、驚きとともに印象深く受けとめておりました。
    こちらも出題に思わずだれかに伝えたくなるような話題を盛り込んだりしていますが、5回にわたり「出題を楽しんでこられた」柚貴くんにとって、思い出深い出題やテーマがありましたら、ご紹介ください。
    ご当地の魚料理のお品書きを見るのが好きです。魚種からわかる場合もあるけれど、この地域ならこのメニューを出したいだろうからそれがないってことは…と書いてない魚介を想像して選択肢から導きだすのもおもしろいです。

    あと出演したテレビ朝日の『博士ちゃん』でサンドウィッチマンのお二人や芦田愛菜ちゃんと話した皇帝カエサルのウツボの問題は忘れられない問題になりました!そもそもウツボ6000匹をふるまう宴会っていうのもすごいですよね。皆さんと話しているうちに、何人でさばいたんだろうとかも気になっちゃいました(笑)ちなみにウツボ、見た目は怖いですが、ぼくもお刺身とから揚げで食べたらめちゃくちゃ美味しくて大好きな魚です。

    ―ととけんは魚の生態や特徴にとどまらず、郷土料理など地域の魚食文化なども広く問われます。ととけん受検を通して、行ってみたい地方や体験してみたいことがありますか?
    北日本の方へあまり行ったことがないので行ってみたいです。他にも富山とか…今はカニにも興味が出てきたので、鳥取の松葉ガニや青森のトゲクリガニを食べに行ってみたいです。青森の『すくめ』のアブラツノザメが美味しそうで気になっています。あと、ととけんの問題にも出ていた静岡の『たきや漁』という、浜名湖で魚介類をモリでつく漁も調べてみたらすごくおもしろそうだったのでやってみたいと思いました!本場のサクラエビも食べたいし深海魚を求めて水族館やいろいろな市場を巡るなんていうのもいいですよね…行きたいところがいっぱいです!!

    ―お住まいの福岡の魚や郷土料理でぜひ全国の人におすすめは?
    天然真鯛の水揚げもトップクラスですし、マサバをお刺身で食べられるのも福岡の名物ですね! 福岡ならではというと『ムツゴロウ・エツ・ワラスボ』でしょうか。 日本海側の筑前海、豊前海、有明海と3つの海に囲まれて海の幸に恵まれている福岡ですが、他にない魚介類が多く集まっている海と言えば有明海です。その中でも有明海固有種のエツは、カタクチイワシの仲間なのですがちょっと変わった姿をしていてかわいくて、ぼくはから揚げで食べましたがサクサクふわふわでとっても美味しかったです。ワラスボも『海のエイリアン』と呼ばれてご存知の方も増えてきたようですが、見た目を裏切る繊細なあじわいで美味しいです!ですがどれも絶滅危惧種なので、環境保全には注意が必要ではありますが、機会があれば食べてみてほしいです。

    そして春の風物詩と言えば、よくシラウオと混同されやすい魚ですが、完全に別種の『シロウオ』も、踊り食いと天ぷらが美味しくて、最高ですよ♪




    ―お柚貴くんの最近のおさかなライフや、いま自慢の魚料理などをまじえてお聞かせください。
    週1回は必ず魚屋さんやたまに市場にも行って、買った魚をスケッチしてさばいて調理して特徴的な骨を保存する…。この流れはここ数年変わりません!毎日ずっと魚のことを考えたり調べたりと、なにかしら魚に関わることしています(笑) 朝一番に、仕入れ中の魚屋さんから『今日の珍しい魚』の写真や動画を送ってもらえると、早く買いに行きたくてその日は学校で一日中そわそわしています(笑) 普段のお魚の食べ方は、お刺身や竜田揚げ、塩焼きなどが主ですが、今の時期(2020年冬)ブリなど、脂たっぷりのものをさっと湯通しして大根おろしいっぱいのポン酢で食べることにハマっています。超即席のブリしゃぶですね(笑) かつお節ものせたら最高ですよ!

    あとはテレビ番組にもたくさん出させてもらえるようになって、各地のお魚が食べられる機会も増えて嬉しいです。ずっと出てみたかったクイズ番組でも、たくさんの魚クイズに挑戦出来たのが楽しくてしょうがなかったです!サドンデスで、用意していた問題が底をつきましたとなった時は、勝ち負け関係なくまだもっとやりたい~!楽し~い!!と興奮しました(笑)
    最近は、福岡や九州の美味しいお魚を紹介する番組にも出させてもらえて、たくさんの魚の魅力をお話しできて嬉しいですし、もっともっと伝えていけたらいいなと思っています。

    ―柚貴くんはもちろん魚が好きだとは思いますが、とくに魚の何に魅かれるのでしょうか。あわせてお気に入りの魚もお聞かせください。
    魚がかわいくてかわいくてとにかく全部が大好きです。見るのも可愛いし調べるのも面白いし、釣るのも楽しくて食べても美味しくて…最高ですね。
    いま僕のお気に入りの魚は、アイブリ(アイブリ属。大~きく言えばアジの仲間)、ホウセキキントキ(キントキダイ属。キントキダイの仲間)です。とってもかわいくて、かっこよくて味が抜群に良くて大好きです。特にアイブリは漁獲量がもともと少なく(認知度も低い)さらに減ってきているようなので、種の保存のために養殖をしたいです。そして全国の回転寿司屋さんで定番になるくらい安定した供給ができるようになるといいなと思っています。今はなかなか難しいかもしれませんが、本当にとってもおススメなのでもし出会えた時にはぜひぜひ食べてみてください!!!

    ―柚貴くんの将来の夢は?
    これからもっともっといろんな人に、魚ってこんなにかわいいんだよ~!と興味を持ってもらって、そしてこんなに美味しんだよ~!と魚食の文化を楽しく伝えていきたいと思っています。
    そのために、『釣り堀屋さん、マニアックな魚類が主な水族館、珍魚いっぱいの魚屋、魚食堂、養殖場(アイブリなど個体数の減少が危機的状況にある魚などの繁殖も兼ねる)、タッチプール』など、美味しい魚や珍しい魚をたくさん扱う、わくわくドキドキできるような『ととパーク』を作りたいというのがぼくの夢です。それを実現できるようにもっといろいろなことを勉強したいです。

    あと、僕が「アイブリ美味しいよ!見つけたら食べてほしい!」と言っていても、もともと数が少ないうえに、お魚屋さんは正式名称で売っても、売れ残っては続かないので、通称やなじみのある名前で出すことも多くて見つけにくいこともあると思います。なので、いつか『ぼくのおすすめのほんとうに食べてほしい魚』を食べてもらえるイベントとかもやってみたいです!魚の調達が難しそうではありますが…(笑)

    なによりぼくが今まで出会ったお魚が好きな人や、お魚屋さん、仲卸さん、市場の方、漁師さん、船長さん、魚の料理屋さん、水族館の方、魚の先生方、などなど皆さんそれぞれに魚への気持ちが強くて優しくて、とにかく『魚好きに悪い人はいない!!』とほんとうに感じるくらいいい人ばかりに出会えてきたおかげで今のぼくがあると思っているので、ぼくもそういう魚愛にあふれたほんわかした人になりたいです。

    ―全国のととけん挑戦者の皆さんに、とくに柚貴くんにつづく小学生のみんなへのメッセージがありましたら
    ぼくが3級を受けた時に読んでいたのは、『からだにおいしい 魚の便利帳』です。この中に基本的なことが本当にたくさん詰まっていて、問題のヒントになることがいっぱい載っているので、じっくり読んで挑戦してみてください! それからもっと興味が出てきたら『からだにおいしい 魚の便利帳/全国お魚マップ&万能レシピ』ですね(笑) 魚の説明ももちろんですが、魚の郷土料理や、魚食文化、おいしい食べ方など情報量がすごいので、おススメです!どちらも本屋さんにありますよ!

    ちなみにととけんの問題と向き合っていると、都道府県や水産業の知識が自然と身についていて、社会の成績がいつの間にか上がっているというラッキーがあると思います(笑)

    ととけんは誰かとの戦いではないと思うので『この魚美味しそうだな~、おもしろい生態だな~』という魚愛で肩の力を抜いて楽しんでやってほしいなと思います。でも、もしアルバイト先とかでととけん合格者は時給アップ!とかの人はめっちゃ頑張ってください(笑)

    以前、とある取材の時に『この人はライバルですか?ライバルはいますか?』と聞かれたことがあり、一瞬何のことか分からなかったことがありました。ライバルどころか、魚が好きっていうだけで、ちっちゃい子も尊敬する魚の先生方も勝手にみんな仲間だと思っています(笑)

    この前お祭りで声をかけてくれたご家族がいて、一緒にグッピーすくいをしたりアオウミガメのスープを飲んだりとすごく楽しかったので、またいろんな人と魚を通じて楽しいことが出来たらいいなと思っています。
    あとととけんのイベントの多くは関東近郊なので、西日本側でもなにかやってほしいなと思っています!ふだんまわりに魚好きな人があまりいないので、もし皆に会えたら全国のご当地給食とかの話もしてみたいですね~。ぼくの地域では、サバの竜田揚げ・アジの南蛮漬け・イワシの梅煮・ブリフライ・キビナゴやワカサギのカリカリフライなどがよく出て、どれもかなり美味しいですよ♪

    ―最後に、なにかあればお聞かせください。
    実は先日、日本で2個体目の発見となる『ヨコヅナマルコバン』という魚を食べました。1個体目は標本として保管されているので、なんとこの種と認識して食べた初めての人間となりました!
    最初は別種と思って食べていたのですが、骨が違うことに気づいて調べてみると、新種認定されたばかりの魚の可能性が高いと思ったので、それをすぐにその研究室の先生に伝えたくて、お手紙を出したところ、ヨコヅナマルコバンであると同定確認をしていただき、さらには種としての分布の北限記録という報告文の提出と、鹿児島大学総合研究博物館に該当骨を学術標本として登録していただくという貴重な経験をさせてもらいました。
    報告文を正式な記録として提出しておくことで、いつか新しい図鑑が出版されてヨコヅナマルコバンが載った際の分布に追加されることになると聞いて、今までぼくが読んでいた図鑑などの魚の分布域などもこうした論文や報告文をもとに成り立っているんだということに改めて気づいて、ますます研究する事の面白さを感じた経験でした。あと日頃から骨を観察していて良かったな~とも思いました(笑)
    まだまだ魚に関して知りたいことがたくさんあるので、今回ととけん1級はとりましたが、それで終わりではなく、これからももっと魚の勉強を続けていきたいです!!

    【お知らせ】



    1級最年少合格 伊藤柚貴くんの初刊行本
    『さかな博士のレアうま魚図鑑』
    7月17日発売

    超難関「日本さかな検定」1級に史上最年少で合格した驚異の知識!
    魚に魂を捧げた小学生による、魚愛にあふれた手作り図鑑。
    “珍しさ"と“おいしさ"で独自に格付けした、「なかなかゲットできないけど、味は絶品」な魚たち!!
    色や形の特徴などによる、ユニークなジャンル分け!
    カラフル&繊細なスケッチとともに、魚の魅力を徹底解説!!

    プロの漁業関係者でも超難関(合格率7.7%)とされる「日本さかな検定」の1級に昨夏史上最年少で合格した、現在小学6年生の伊藤柚貴くん。
    昨秋放送の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)第1回に“レアうま魚博士ちゃん"として出演し話題を呼びました。
    彼が幼稚園の頃から記録してきた、食べた魚の珍しさとおいしさを基準にした格付けと、自らの達者なイラストをベースとして、「なかなか手に入らないけど、味は絶品」という魚を幅広く、全196種を紹介する図鑑です。

    魚への愛にあふれたスケッチの魅力を全面に展開しつつ、魚の概要(分類、標準和名、別名、生息域、全長)はもちろん、魚通の大人でも知らないような知識や情報もたっぷり紹介。そのほか、長年収集している魚の骨コレクション、魚に関する豆知識やオススメの食べ方などのコラム、生物ライター・珍生物ハンターでもある平坂寛さんとの対談、レアうま魚ゲットの方法……など、単なる図鑑にとどまらない、エンタメ感のある一冊となります。

    書名:さかな博士のレアうま魚図鑑
    著者:伊藤柚貴
    定価:本体1,500円+税
    出版社:日東書院本社
    頁数:160p(オールカラー)
    サイズ:B5判


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