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    最年少1級合格記録を更新! 愛知県田原市の森下泰成(たいせい)くん、当時小学5年生
    第12回・21年 "会場受検" FINALで初めて挑戦。1・2級併願で記録達成!

    初めてのととけん挑戦(1・2級併願 : FINAL特別措置)で見事、最難関の1級に合格、
    しかも最年少、小学5年生の記録を更新された、森下泰成くんにお話しをうかがいました。



    ―おめでとうございます。まず、最上級・1級最年少合格のご感想をお聞かせください。

    ファイナルでもう最後だと聞いていたので、合格できてうれしいです。
    さかなクンが1級合格のお祝いにドッキリをしてくれて、さかなクンに会えて、言葉で表現できないくらいうれしかったです。
    びっくりして、うまく自分の気持ちを伝えられなかったですが、さかなクンが時間ギリギリまで話をしようとしてくれたり、とても優しくてさらに好きになりました。ぼくが会いたい魚のイシガキイシダイの画像も見せてくれました。
    それと、お父さんとお母さんは、ぼくほど魚が好きではないのに協力してくれたので、感謝しています。

    初めて飼う魚、琉金の「リュウくん」と一緒に。


    ―魚に興味をもたれたきっかけはなんですか?
     また、受検された理由なども。


    ぼくは海へ行ってビーチコーミングをしたり、虫を採ったり、生け花をしたり、地域の野菜を買ったり、自然がもともと好きでした。なので魚にも興味がありました。4年生の時、種子島の宇宙留学に行きました。そこで、里親のお父さんが念願の釣りに初めて連れて行ってくれました。初めてなのに、アジやサバが300匹くらい釣れて楽しくて、いっきに魚が好きになりました。
    宇宙留学から帰ってきて、ぼくがさらに魚好きになっていたので、お母さんがそんなに好きなら日本さかな検定を受けてみたらどうかと教えてくれました。初めは1級を受けるつもりはなかったのですが、ファイナルで2級と同時に受検できると知りました。
    実は、ぼくは昔、虫の世話をお母さんにまかせっぱなしにしたことがあって、魚を飼いたいと言っても反対されていました。
    朝日小学生新聞のさかなクンの電話相談室で相談したら、さかなクンが「本気でお願いして、本気の気持ちを伝えてください!」とアドバイスしてくれました。するとお母さんが1級に受かったら、金魚を飼ってもいいと言ったので、1級も受けることになりました。
    絶対に1級に合格して、さかなクンに金魚を飼えたことを報告したいと思ってがんばりました。

    ―食べる、釣る、料理をつくるなどいろいろありますが、魚介の何に惹(ひ)かれますか?

    ぼくは、今でも虫が好きで夏になると昆虫採集をしますが、昆虫は食べることができないので(昆虫食があるけど)、魚はおいしく食べられることが一番の魅力だと思います。
    自分で釣って、さばいて、料理して、食べることが好きです。
    特にぼくの住んでいる渥美半島は、新鮮でいろいろな種類の魚が手に入るので、自分でさばいてお刺身を作ることが楽しいです。
    最近はあぶりや湯引きなどにはまっています。盛り付けも全部自分でやります。本当は毎日お刺身を作って食べたいくらいです。

    左から「ブリ」「太刀魚」「ヒメダイ、高知産」のお刺身。盛付けも楽しみの1つ。
    それから、魚は目がとても美しいから、それを絵に描くことも楽しみです。魚の絵をもっと書く時間が欲しいです。



    ハシキンメ(さばく前に写真をとります : 左)とそれを見て描いた絵 : 右


    ―お好きな、お気に入りのお魚は? どんなところが?

    南方系のお魚が好きです。お父さんが南の方の魚はおいしくないと言うので、いつも言い返しています。
    スーパーにはあまり南方系の魚が売られていないから、将来南方系の魚がたくさん買えるようになったらいいなと思います。
    他には顔がかっこいいので、ハタの種類が好きです。ヤイトハタとかかっこいいです。
    あとはイカも好きです。生きているイカのきれいな姿を見るのが好きですが、一度でいいから地元の伊良湖でアオリイカを釣ってみたいです。今年はチャレンジしたけど釣れませんでした。

    ―地元の魚介で全国の皆さんに知ってほしいものは?

    アサリ、オオアサリ、海苔です。
    アサリはゴールデンウイーク頃に潮干狩りをして、たくさんとれるとアサリご飯を食べます。
    アサリのダシの出たご飯はすごくおいしくて、おみそ汁もアサリで、アサリの酒蒸しもあるから、アサリづくしで食べます。残ると冷凍して、使いたいときにおみそ汁にしたり、スパゲッティに入れてくれます。
    潮干狩りで5センチくらいのアサリをとったときはうれしかったです。
    愛知のアサリは中身が大きくて味がこくて柔らかいのが特徴だと思います。
    オオアサリはウチムラサキという貝で、三河湾でとれます。焼きオオアサリは貝柱がすごくおいしいです。
    海苔も小さいころから大好きで、朝ごはんはおにぎりに海苔を1枚使って食べます。地元の海苔屋さんの海苔は本当においしくて味も全然違うから、全国の皆さんにぜひ試してもらいたいです。

    それと、おばあちゃんの作るイワシ団子。
    イワシをすりつぶしたものに、糸コンブ、細ネギ、おばあちゃん特製の豆味噌を加えて丸くします。
    それを醤油とだしの中で煮て、最後に豆腐を加えます。最近はお手伝いをして、作り方を覚えました。
    とてもおいしくてイワシが釣れるとイワシ団子が食べられると思ってうれしくなります。

    おばあちゃんのイワシ団子


    ―日本各地の魚や郷土料理などで、食べてみたい、(釣ってみたい)ものがありますか?

    知り合いの人が夏に北海道へ行って、河口で鮭を釣ったと聞いて、ぼくもいつか自分で鮭を釣ってみたいです。ハゼとコアジとコサバとイワシなどの小さい魚しか釣ったことがないから、大物を釣ってみたいです。
    それから、日本さかな検定を勉強中にホタテの貝殻の上で魚介を焼く津軽地方の「貝焼き味噌」を知りました。とてもおいしそうです。それも食べてみたいです。あと、本当においしいホヤを食べてみたいです。

    それと、西表(いりおもて)島(じま)の三拝云(ミーファイユー)のおじいとまた釣りをしたいです。
    西表島でノコギリガザミをとる伝統漁法を見せてもらって、次の日ホシザヨリ釣りに連れて行ってもらいました。うまく釣れないから怒られながら釣りましたが、すごく思い出に残っています。
    あの時より釣りが上手になっているから、今度はほめられたいです。

    左から「ノコギリガザミ」「ホシザヨリを釣ったよ」「釣ったホシザヨリたち」


    ―第12回の1・2級で印象に残った問題はありますか? 楽しめましたか?

    1級はQ8のサケ・マス類の問題です。サケとマスについて考えられているとても良い問題だと思いました。

    Q8 サケ・マス類の記述のうち、誤りを選びなさい。
    ① 海に下ることのない鮭の仲間を「鱒」、英語では「トラウト」と呼ぶ。
    ② 日本で一番食べられている鮭は「ギンザケ」であり、主に南米チリで養殖されたものが輸入される。
    ③ 春から初夏にかけて獲れる若い「シロザケ」を「時鮭」「時知らず」、秋に1万匹に1~2匹という割合で揚がる、全身がトロのような脂がのった若い「シロザケ」を「鮭児」という。
    ④ 天然物の鮭は、寄生虫がいるため加熱が必要。生で食べられるのは餌や水をコントロールしている養殖ものである。

    2級はQ87のモロコという魚拓の問題です。間違えてしまって④のスジアラにしてしまいました。
    でもよく見ると拓寸が120センチとあって、スジアラはそこまで大きくならないから、そっか!ともっとよく読めばよかったと思いました。

    Q87 大物狙いの釣り師が伊豆諸島沖で釣り上げたという、この魚拓(ぎょたく)の正体を選びなさい。

    ① アラ  ② オオニベ  ③ クエ  ④ スジアラ


    1級の問題の方がスラスラ解けて楽しかった気がします。
    問題ではないですが、21年版ととけん副読本に、タコの映画の話「オクトパスの神秘」がのっていて、すごくおもしろかったです。ぼくもタコと友達になりたい!

    宮島水族館のタコ(写真加工しています。)


    ―第12回の1・2級挑戦にあたり、どんな勉強(準備)をされましたか?
     読めない漢字がありませんでしたか?


    読めない漢字はあったと思うけど、問題を解くのに気にはなりませんでした。
    今考えると、2級は教科書2冊と副読本を読んでいれば合格できると思います。
    でも1級は、普段からいろいろな本を読んだりしていないと合格できないなと思いました。
    ぼくは、尊敬するぼうずこんにゃくさんの本やいろいろな本を読んで、疲れるとYouTubeを見て楽しみました。気まぐれクックさん、へんおじさん、ハイサイ探偵団さん、小豆島漁師はまゆうさんなどのYouTubeを見て、休んでいる時も魚のことを見ていたからそれが良かったのかなと思います。

    ―今後(将来)の目標、夢をお聞かせください。

    ぼくは魚の図鑑を見ることが好きですが、たまに魚種を間違えてしまうこともあるし、正直まだまだ魚のことを勉強していないので、これからたくさん魚にふれあって、魚の知識を増やしていきたいです。淡水魚のことも勉強したいです。海にもたくさん出かけて自分で釣ったり、とったりしたいと思います。
    将来の夢は魚の研究者になることなので、大学の先生や魚に関係するお仕事の方からいろいろなことを教えてもらって、これからなんの研究をするかを決めていきたいです。

    ―最後に、森下くんに続く小学生たちへのメッセージがありましたら

    最年少記録を抜いてほしくないです。(冗談、笑)
    ぼくの同級生でも魚のことが好きな友達が1人いるのですが、もっと早く日本さかな検定のことを知っていたら、その友達と一緒に勉強をしたかったです。だからみんなも友達と一緒にクイズみたいにして、魚の勉強をしたら良いのではないかと思います。
    おすすめの本は、ぼうずこんにゃくさんの「すし図鑑ミニ」です。この本を持ってお寿司屋さんに行くととても楽しいです。魚の情報も書いてあってすごいと思います。
    将来、日本さかな検定を受けてもらって、友達になって、たくさん話をしてみたいです。